企画展アーカイブ/ ARCHIVE

  • M.G.RAIN スプリングセッション 2017
    M.G.RAIN SPRING SESSION 2017

    2017年3月25日 ~ 2017年4月23日
    25 MARCH 2017 - 23 APRIL 2017

    国内外から5名のアーティストが参加し、さまざまな写真の古典技法による
    作品セッション展を開催いたします。

    藤田修(フォトエッチング) コウムラシュウ(カリタイプ & リスプリント)    日下部一司(ゼラチンシルバー & ガム印画) 白石ちえこ(フォトドローイング/ぞうきんがけ) 安田雅和(カーボンプリント)

    Osamu FUJITA (Photo Etching) Shu KOUMURA (Kallitype & Lith Print)  Kazushi KUSAKABE (Gelatin Silver & Gum Print) Chieko SHIRAISHI (Photo Drawing = Zôkingaké) Masakazu YASUDA (Carbon Print)

      作家の言葉(抜粋)  藤田修: 今回展示するのは、1990年代の作品です。90年代は、フォトエッチングという腐食銅版画を中心に制作していました。この技法は、作家によって制作方法は様々です。イメージをフィルムに変換したものを銅板に露光し、塩化第二鉄液で腐食させ、その後アクアチントや、エッチング等の技法を加え、イメージを構築させます。 コウムラシュウ: これまでゼラチンシルバーで作品を制作してきましたが、カリタイプでの作品に取り組み始めました。プラチナやパラジウムで調色することで、プラチナプリントのような恒久性を得ることができ、さらに色味を自分で調合できる楽しみがあります。カリタイプをはじめ幾つかの古典技法で表現を追求し、試行錯誤を重ねています。 日下部一司: 「どこに、どのようにイメージが定着されているか。」 支持体への興味は、自分と写真の関係の重要な要素です。かつて制作していた版画表現の経験から、紙、インク、額装のことなどを写真作品にあてはめ、プリントイメージや黒のバリエーション等、表現を模索するなかで古典印画法を用いるようになりました。「写真の物質感」は、私にとって外せない要素です。最近、作品の物理的な「重さ」も大切ではないかと考えています。 白石ちえこ: 現像で完全に仕上げた印画紙を油絵の具で真っ黒に塗り込めてしまうのには抵抗と快感があります。絵の具を拭い、闇の底に沈んだ風景を掘り出し、削りだしていく作業。暗がりから次第に見えてくる光景との出会い。明るい場所から暗闇に入ったとき、目が慣れるにしたがって徐々に景色が見えてくるように、薄暗い中に、息づく、静かな風景が見えてきます。 安田雅和: 写真が発明された頃のプリントを見ると、平面でありながら、物質や存在など、手作業ゆえの表現とぬくもりを感じます。そのような写真に魅了され、過去の技術に“新しさ”を発見し制作しています。1878年に発明された「カーボン写真」は、作品表面がベルベット調になるため、「カーボンベルベット」とも呼ばれます。カーボン粉末をゼラチン膜に付着させる方法。ゼラチン膜の硬さによって変化するカーボンの付着具合で画像イメージを表現します。感度が低いので、太陽の下で10分〜30分かけて完成させます。

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