企画展アーカイブ/ ARCHIVE

  • 安田雅和 展 / Masakazu Yasuda solo show
    「 アンスラコタイプ カーボン プリント」
    「 anthracotype carbon print 」

    2019年9月14日 ~ 2019年10月6日
    14 SEPTEMBER 2019 - 6 OCTOBER 2019


    渾身の新作を発表
    カーボンの黒粉の濃淡で仕上げた現代都市の光景

    anthracotype carbon print 今回の被写体は、都市である。 人工的な空間、うごめく群衆 … 見慣れた都市の風景が “アンスラコタイプ カーボンプリント” の仕上げで、まったく違う表情になった。 前回の“shima”では、初めてマングローブの林に足を踏み入れたとき、いつかどこかで出会ったような不思議な感覚にとらわれた。木々のざわめきが、楽器を奏でているかのように、一音一音が重なり、さながら森のシンフォニーだった。原始の息づかいを感じた。 今回は、違う。 不穏な息づかいである。 僕を混沌とさせるシンフォニーだ。                                     安田雅和(京都にて)   * アンスラコタイプ:19世紀に発明。カーボンの粉末を使い、ベルベットのような質感で表現する方法。

  • 泉大悟 展 / Daigo Izumi solo show
    「 ゼラチンシルバー プリント」
    「 GELATIN SILVER PRINT 」

    2019年6月22日 ~ 2019年7月21日
    22 JUNE 2019 - 21 JULY 2019

    アーティスト トーク:2019年7月21日 PM 4時 ~ 5時 (無料)
    Artist Talk : 21 July 2019, 4:00 PM ~ 5:00 PM (free)

    泉大悟の世界が広がる新作を発表
    ギャラリーの企画による初めての個展

    「 私は、静かに見つめていることができるものを作りたいと思っています 」 泉大悟

    泉大悟は、35mmフィルムを使ったストレートなモノクローム写真が一番自分に合っている、と言う。動きの少ないもの、まなざしの速度を緩めてくれるもの、見ていると ”何か” の想いがやってきたり、立ち去ったり、その先にまた“何か”が見えてきたり … 。そんな主張の少ない、静かに見つめていたい、と感じるものにレンズを向け写し撮っている。

    撮影から暗室作業を経て生み出される作品に込める想いなど、会期中に開催するアーティストトークで語られる予定です。

  • 藤田修 展 / Osamu Fujita solo show
    「 KARAZURI : エンボス & フォトポリマー グラヴュール 」
    「 KARAZURI : embossing and photopolymer gravure 」

    2019年5月11日 ~ 2019年6月9日
    11 MAY 2019 - 9 JUNE 2019

    “表現” の探求を続けるアーティスト藤田修の新作展
    見たことのない斬新さと驚きの写真表現による作品を発表

    KARAZURI(文:藤田修) 浮世絵版画の技法の一つにインク(色)をつけずに刷る方法がある。 “ 決め出し” と言うのだが、この方法で写真のイメージを表現できないだろうか、 紙の表面に凹凸だけでイメージを成立させられたらきっと美しい真っ白な写真が 出来るはずだ、と思った。 今まで樹脂板を使ってのグラヴィア印刷(フォトポリマーグラヴュール)で 写真表現をしていたけれど、方法を少し工夫すれば出来るのではと試行錯誤して、 何とかたどり着いたのが今回発表する「KARAZURI」です。 写真から全ての色が消え、イメージだけが浮かび上がる 新作 embossing「KARAZURI」を是非ご高覧下さい。

  • M.G.RAIN スプリング セッション 2019 vol. 2
    M.G.RAIN SPRING SESSION 2019 vol. 2

    2019年3月16日 ~ 2019年4月14日
    16 MARCH 2019 - 14 APRIL 2019

    7人の現代アーティストによる古典技法作品のセッション展

    容子 Yoko ダゲレオタイプ daguerréotype 泉 大悟 Daigo Izumi ゼラチンシルバー gelatin silver 杉野信也 Shin Sugino 湿板 tintype & ambrotype 坂田峰夫 Mineo Sakata オリジナル フォトグラム original photogram 中藤毅彦 Takehiko Nakafuji ゼラチンシルバー gelatin silver Jeffery M Graves プラチナ/パラディウム platinum /palladium from ambrotype nega 日下部一司 Kazushi Kusakabe ガムプリント, 鶏卵紙, ゼラチンシルバー gum print, albumen print, gelatin silver

  • M.G.RAIN スプリング セッション 2019 vol.1
    M.G.RAIN SPRING SESSION 2019 vol.1

    2019年2月2日 ~ 2019年3月3日
    2 FEBRUARY 2019 - 3 MARCH 2019

    5人の現代アーティストによる古典技法作品のセッション展

    藤田修 Osamu Fujita  フォトポリマーグラヴュール, フォトエッチング  photopolymer gravure, photo etching 安田雅和 Masakazu Yasuda  ガムプリント, カーボンプリント  gum print, carbon print 森本洋充 Hiromitsu Morimoto  プラチナ/パラディウム  platinum/palladium 久保卓治 Takuji Kubo  フォトポリマーグラヴュール  photopolymer gravure 雨宮一夫 Kazuo Amemiya  プラチナ/パラディウム, シルバーエマルジョン  platinum/palladium, silver emulsion

  • コウムラシュウ 展 / Shu Koumura solo show
    「 ポラロイド / ゼラチン シルバー プリント 」
    「 polaroid / gelatin silver print 」

    2018年11月24日 ~ 2018年12月16日
    24 NOVEMBER 2018 - 16 DECEMBER 2018


    12月8日, 9日,15日,16日 : 作家在廊予定
    8, 9,15,16 December : Artist will be present

    ドイツを拠点に写真作品を制作しているコウムラシュウ。
    新たな表現を求めて、数年前から古典技法の研究を始めた。
    今回、“ ポラロイド ”との出会いから生まれた作品を初めて発表する。


    ポラロイドという魔法  文:コウムラシュウ 私にとっての写真は、頭の中に描き出される虚構(フィクション)を眼前の風景、被写体から創り出すというものである。現実から虚構を創り出す。それは見えているものを写し取らず見えていないものを写し出すことを意味する。より正確に眼前の被写体を再現することを目標として進化してきた写真にそんな相反することが可能であろうか? その独特の画質と即時性により多くの写真家、芸術家に愛用されてきたポラロイドには、数多くの製品が存在したが、私の虚構を創り出す魔法のフィルムは、大判カメラで撮影出来かつポジシートと同時にネガフィルムが得られるポラロイド独特のT51、T55、T665の3製品のみである。 ポラロイドの作像原理であり1930年代に欧州で開発された拡散転写法は、感光したネガフィルムと受像機能を持つポジシートの間に現像定着処理液を注入して画像転写を行うというもので、この処理液の経時変化に伴い予想もつかない画像が得られる。それは時に写されるべき被写体の消失、存在しない紋様の出現など完全に予想する事は難しく、更に特定の条件下では諧調が反転した様な画像が生じることも加えて正に魔法=ポラロイドマジックとしか言えない世界が創り出される。 この魔法=ポラロイドマジックでどのような虚構を創り出すのか? 私の見たい虚構とは何なのか? それはかつて存在したかも知れない、あるいは存在しなかった世界の一場面。時にはグリム童話の一場面。時にはギリシャ神話の神々。またある時には聖書の一章節、それはギュスターヴ・モローに代表される象徴主義/幻視絵画に近いものなのかもしれない。そんな虚構を創り出す素材として私が選ぶのは、ドイツの霧の冬枯れの森、朽ちていく巨木、共同墓地に飾られた彫像たち。 一度、ポラロイドという魔法にかかってしまうともう通常のフィルムに戻る事は難しい。T51、T55、T665いずれの製品も最終生産ロットの使用期限は2008年前後であり、内蔵された処理液ポッドの寿命から2040年頃が使用限界となるが、手元の最後の 1枚を撮影し終えるまで私のポラロイドという魔法の作品制作は続いていく。

  • ジェフリー・グレーヴス & ロイド・グリーン 展
    Jeffery M Graves & Lloyd A Greene show
    「AMERICANA - polymer photogravure & platinum/palladium」

    2018年10月13日 ~ 2018年11月4日
    13 OCTOBER 2018 - 4 NOVEMBER 2018

    10月13日 & 14日:作家来日、在廊
    13 & 14 October : Artists will be present

    2018年3月、M.G.RAIN セッション展で東京(日本)デビューした
    二人のアメリカ人作家による写真展。
    様々な古典技法で身近な風景の写真作品を制作している Jeffery M Graves は、
    19世紀の技法フォトグラヴュールで、Lloyd A Greene は、テスト飛行技師をしていた経験をもとにライト兄弟が大空へ飛び立ったハフマン飛行場の風景をプラチナ/パラディウムプリントで表現している。 コロラド州とオハイオ州に在住する二人がそれぞれのAMERICANA(アメリカ風物誌) を切り取った作品を日本で初めて発表する。


    作家の言葉 / ARTISTS STATEMENT

    Images from Familiar Places by Jeffery M Graves The images in this project represent a body of work that was captured during daily walks near my home and natural spaces that I frequent. The original intention of these walks was not to make images but served as a form of meditation and reflection of my daily activities. An act of decompression, a chance to slow down. Some of these places I had visited for years before I decided to carry a camera with me. It wasn’t until I peeled away the outer layers of my daily life that I started to see this simple yet complex landscape. I have a choice of two very old film cameras that now accompany me (at times) on these walks. Both from the 1950’s, a Rolleiflex TLR and a Leica IIf screw mount. My film is hand processed then the selected negatives are scanned and printed digitally as positives on clear transparency film. The transparency is then placed onto a light sensitive polymer plate (Solar Plate) and exposed to ultraviolet light which hardens the polymer creating an etched plate of depressions for etching ink to reside. The plate is then wiped with ink, placed onto a piece of humidified paper then rolled thru an etching press which creates a positive image impression onto paper. / 日々の風景から このシリーズは、日々の散歩で、自宅近隣の景色や、慣れ親しんだ自然の中に捉えたイメージを作品にしたものである。この散歩は、日常の諸々を静かに考察するため、リラックスするための習慣であり、作品イメージを膨らませることが目的ではなかった。ある時、数年前に歩いた幾つかの場所にカメラを持って行くことにした。日々の習慣という一面を取り払い、あらためて見る風景は、シンプルだが様々な表情を内包していた。作品は、2台の古いフィルムカメラで撮影した。(1950年代製造のRolleiflex TLR と Leica IIf screw mount)フィルムは、自分で現像し、選んだネガを透明なフィルムにスキャンする。ポジ状態に出来上がったスキャンフィルムを感光性樹脂板 ( polymer plate / solar plate ) に密着させ、紫外線にあてる。紫外線で硬化する樹脂板にはフィルム画像の凹凸ができる。そこにインクと湿らせた紙を載せ、プレス機でプリントする方法で制作した。作品はポジティブのイメージである。

    The Huffman Flying Field by Lloyd A Greene There is an expanse of tall grass at the end of the Air Force Base main runway in Dayton Ohio. That place is called Huffman Flying Field, and it is part of the US National Park system. Huffman Field is a place where people can enjoy many outdoor naturalist activities such as hiking, birding or wildflower gazing. However, Huffman Field is primarily known as the world’s first airport and the place where Orville and Wilbur Wright spent the better of 10 years perfecting their flying machine. Then, most people referred to the place as “Simms Station.” […] It is a place where I wanted to make pictures. […] Because I was a Test Flight Engineer before I began my career in photography, I began to look at my subject not only through the eyes of a photographer who must rely on artistry and composition, but also with the concept of flight experimentation and testing. […] From a photographic standpoint, I decided to use technology that would have provided results similar to the images captured in the early 20th century. The Wrights used a 5 x 7 large format camera with glass plates. I mimicked their camera with my 1962 Deardorff large format camera. A key difference was that I used modern black and white film. […] I made this print with platinum and palladium and the remaining portfolio from contact negatives over a two-year period. / ハフマン飛行場 オハイオ州デイトンにある空軍基地のメイン滑走路の端に、広大な草原が広がっている。そこはハフマン飛行場と呼ばれる国立公園で、ハイキング、野鳥や野生動物の観察など、多くの自然を楽しむことができる場所。世界で最初の空港として知られており、オービルとウィルバー・ライト( [ライト兄弟] )が飛行機を完成するために10年間を費やした場所である。ここはかつて「シムズステーション」とも呼ばれていた。この場所を撮影したいと思った。私は写真を始める前、テスト飛行技師だったので、写真家としての目だけでなく、飛行技師の目でこの場所を撮影した。20世紀初頭の技法で作品を制作した。ライト兄弟が5 x 7の大判カメラとガラス板で写真撮影していたので、それに倣い1962年のディアドロフ大判カメラで撮影。違いは、ガラス板が、現代の白黒フィルムになったこと。撮影から2年以上の歳月をかけ、プラチナ/パラディウムでプリントした。

  • 藤間謙二 展 / Kenji Toma solo show
    「 π - 3.14 / リスプリント 」
    「 π - 3.14 / LITH PRINT 」

    2018年8月25日 ~ 2018年9月16日
    25 AUGUST 2018 - 16 SEPTEMBER 2018

    8月25日 & 26日:作家在廊
    25 & 26 August : Artist will be present

    ニューヨークを拠点にコマーシャルフォトグラファーとして
    第一線で活躍するKenji Toma。
    今回、“藤間謙二”のパーソナルワークである
    アナログ写真「π-3.14」シリーズの作品を初めて発表する。
    撮りためていたネガの中から、2018年Lith Printで仕上げた作品展。

    π-3.14 文:藤間謙二 私たち人間を含む、この3次元における全ての物体を構成している形状の内、球体は最もシンプルであると同時に、実は無数の直線の放物線が織りなす最も複雑な形でもある。このシリーズで私は、大きさの違う三つの球体を使い、白と黒、二極の相対する世界を表現した。両者はまるで物事の始まりであり、また終わりでもあるかの様な光と影の関係性を軸に構成されている。我々の住む3次元の世界における全ての形あるものは、素粒子の集合で形作られているわけだが、人間の大脳はその全体像を観ずとも、一部の際立った部分、或いはその陰をヒントに形を想像する。 この π-3.14 シリーズは、そんなカタチをめぐる私の観察の経過の表れである。

    *リスプリント:リス用現像液と印画紙を組み合わせプリントする方法。

  • 金井杜道 展 / Morio Kanai solo show
    「 ウッド ノート II / ゼラチン シルバー プリント 」
    「 WOOD NOTE II / GELATIN SILVER PRINT 」

    2018年6月23日 ~ 2018年7月15日
    23 JUNE 2018 - 15 JULY 2018

    仏像写真のスペシャリスト金井杜道が
    Wood Note をとらえた作品展

    WOOD NOTE II 森の中にこだまする自然の音を Wood Note と云う。 「木を見ていると音が聴こえてくる。森を見ると撮りたくなる。子供の頃に駆け回った森林。旅先で出会った木立。森を離れて仏像になった木。傍らには、いつも「木」があった。」(金井杜道) 以下、金井杜道の風景写真集 「MONOCHROME DEJA VU」に寄せられた立花隆 氏の文章より抜粋。 「(…)フランス語に、あらゆるジャンルの職人の本職の技を示す表現として、「メティエ」という言葉がある。金井の仏像写真は、仏像写真家のメティエの極致を示すものだ。(…)色付け一切なしにオリジナルの仏像が持っていた情報すべてがそのままに引きだされてくる。色付けなしだからといって、仏像の前に、非個性的にカメラをすえ、非個性的にライティングし、非個性的にシャッターを切れば、客観主義そのものの写真が撮れるというものではない。金井の写真が、個性を殺しているように見えるのは、実は見せかけだけだということが、写真を仔細に見れば見るほどわかってくる。(…)金井の写真は、どうしようもなく、非個性的に個性的なのである。(…)この本は仏像写真集ではなく、風景写真集である。金井の意外な側面だが、これらの作品を見せられて、私は金井がなぜあれほど静かで強い仏像写真を撮りつづけることができたのかがわかるような気がした。」

  • 容子 展 / yoko solo show
    「 湿板 & ダゲレオタイプ 」
    「 wetplate collodions & daguerréotypes 」

    2018年5月12日 ~ 2018年6月3日
    12 MAY 2018 - 3 JUNE 2018

    21世紀のIT社会で生きる容子は、19世紀に発明された古典技法、
    ダゲレオタイプや湿板に魅了され、取り憑かれたように作品を制作している。
    「楽しくて仕方がない」という容子の世界を紹介する。
    鏡のような写真による作品展。初めての個展。

      作家の言葉(文:容子) 写真を撮るという行為は、私にとって記録や表現とも違う、人間の集合体の中から自分自身を解きほぐすといういわゆる内観のような作業である。ガラス板や銀板を磨くそのときから深層の旅は始まり、長い時間をかけて被写体と向き合うとき、自己は時空から遊離して向き合っているものはもはや個々の被写体ではなく、内的現実を映し出す鏡のような存在になってゆく。時間の連続から一度寸断された“ 写真 ”は、完成した時点で私からも寸断されるが、その内容は無意味なように見えて人間の無意識下の普遍的な何かの象徴を表しているかもしれないとも思う。   *ダゲレオタイプ:1837年、ダゲール(フランス)により発明。金属板、一般的には銀の薄い層で覆われた銅板の上に写された写真。板は鏡のような外観で角度によってネガやポジのように見える。 *湿板:1850年、フレデリック・スコット・アーチャー(イギリス)がコロジオンを使いガラス板にネガをつくる「コロジオン湿板法」を考案。1851年のロンドン万国博覧会で紹介。露光時間が短く感光度が高いため1880年代初めまで多くの写真家が利用した。1854年コロジオン湿板法をもとにアンブロタイプ(露出不足を科学的に処理し、ネガの裏に黒い背景を置くことでポジとして見ることができる方法)が発明された。DM葉書 は、アンブロタイプによる作品。

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