M.G.RAIN スプリングセッション 2018
M.G.RAIN SPRING SESSION 2018
2018年3月24日 ~ 2018年4月22日
24 MARCH 2018 - 22 APRIL 2018
森本洋充を中心に新たな感性の国内外アーティスト6名によるセッション展。
今回、Jeffery M Graves とLloyd A Greene は 東京デビュー、
藤間謙二は、ライフワークのゼラチンシルバープリントを初めて発表する。
これからが楽しみなアーティスト達の
さまざまな写真の古典技法による作品セッション。
Jeffery M Graves(プラチナ/パラディウム)
Lloyd A Greene(プラチナ/パラディウム)
森本洋充(プラチナ/パラディウム)
藤間謙二(ゼラチンシルバー)
坂田峰夫(フォトグラム)
容子(ダゲレオタイプ)
Jeffery M Graves (Platinum/Palladium)
Lloyd A Greene (Platinum/Palladium)
Hiromitsu Morimoto (Platinum/Palladium)
Kenji Toma (Gelatin Silver)
Mineo Sakata (Photogram)
Yoko (Daguerréotype)
作家の言葉(抜粋)/ Artist Statement (extract)
森本洋充 / Hiromitsu Morimoto
ニューヨーク在住 / USA
「イメージに合わせて紙を選びます。紙との出会いが先で、その紙にあった被写体を撮ることもあります。」選んだ紙に、人物や静物といった身近なモチーフを独創的な発想と方法でプリントし、多様な写真表現を追求している。
Jeffery M Graves
コロラド州在住 / USA
The images from “A Survey of the Eastern Plains” are a culmination of wanderings in and around the Pawnee Grasslands in Northeast Colorado. This area was particularly hit hard by drought which made life difficult for smaller less successful land workers to survive. Working photographically in this landscape gives me an opportunity to step into the history of this land and its relationship to the present. I have an interest in how we as humans use land. How the land reacts. Symbols and relics of forward progress are all around us. To record this slice of time I chose platinum and palladium not only for its beautiful warm tonal scale but also for its archival properties, hoping that these images will outlive the subject matter and serve as a reference for generations to come. [“東部平原の記録” シリーズの作品は、コロラド北西部のポーニー国立草原で撮影した。ここは、厳しい干ばつで生きることが困難な土地だった。作品制作は、この土地の歴史や、それが現在にもたらしたことを考えるきっかけになった。人間はどのように土地と関わり、土地はどのように反応するのか。先々の進歩を思わせる象徴や遺産はすべて身近なところにある。美しい階調効果だけでなく、これらの歴史遺産、写真に写し出されたテーマが未来の世代に語りかけるものとなることを願いつつ、時の断面を記録するため、プラチナ/パラディウムで制作した。]
Lloyd A Greene
オハイオ州在住 / USA
PORTRAITS ON THE GANGES PORTFOLIO: I am drawn to India and the Ganges River because of the people and culture. In India, many of the ways of life have been done the same way for thousands of years.
The river is named after the Hindu God “Ganga”. Indian mysticism often refers to the river and god as being the same--she nurtures the people and the land. In these images, I am attempting to show the serenity of the river activities. The [platinum/palladium] prints are designed to be permanent, soft and warm reflecting the Ganga Nurturing. [ガンジスの描写より:ガンジスの人と文化に魅了されインドへ。多様な生き方が数千年にわたり綿々と営まれてきた国。ガンジス川は、ヒンドゥー教の神“ガンガ”から名付けられた。インドの信仰は、人や大地を潤す川を讃えることが少なくない。このシリーズでは、川でおこなわれる営みの静穏を捉えようと試みた。プラチナ/パラディウムの恒久性と、柔らかく温かい色調でガンジスを表現した。]
藤間謙二 / Kenji Toma
ニューヨーク在住 / USA
1997年、1人のダンサー Jessicaを撮り始めた。被写体の持つ本質を写真に記録しようと試み、骨、筋肉、皮膚からなる人間の肉体の造形美に焦点を絞り、それらの要素が造り出す研ぎすまされたシェープと動きを静物に向かうようなアプローチで撮った。肉体は時とともに変化する。18年が経ち、再び彼女の肢体と向き合うことになった。彼女の肉体を通し時間の流れを写し出す作業。私自身、時とともに被写体との向き合い方が変わってきている。Jessicaを撮り続けることは、未知の世界だ。これは肉体に残された時間の足跡を記録する継続的プロジェクトである。今回、ライフワークとして制作を続けてきたゼラチンシルバー作品を初めて発表する。Jessicaシリーズ初期の作品を展示。
坂田峰夫 / Mineo Sakata
東京在住 / Japan
「FLOWERS」シリーズの写真は、写真用印画紙に直接焼き付けるフォトグラムを応用したオリジナルのメソッドによるものである。写真技法を使った絵画という認識である。作品は、ポジ像とネガ像が一対を成し、彼岸と此岸の対と同じように、みえるもの、あるいはみえないことの世界を表している。オリジナルのメソッドによって、この曖昧な境界を行き来し印画紙に結実する。私にとって花は献花であり、花を手向けるという行為は万物への敬意と未来と過去をつなぐ象徴である。
容子 / Yoko
東京在住 / Japan
魂はどこから来て、どこへ向かうのか。次にはどんなステージが待っているのか。私の中で「死」は恐るべき存在ではなく隣の部屋へ向かう扉のようなイメージだ。19世紀のダゲレオタイプを初めて見た時、その扉を発見したような衝撃だった。これは写真なのだろうか。銀板に写し出される画像が角度を変えると現れたり消えたりする。魂が扉の向こう側へ引き込まれていくような錯覚を起こす。私にとって、長い露光時間をかけての制作プロセスは、次の世界への誘い、あるいはセレモニーである。